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2020年、新型コロナウイルス感染症(以下新型コロナ)によって私たちの日常は大きく変わってしまいました。
新年を迎えても治まるどころかコロナ患者が急増し、1月7日に1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、13日には2府5県(栃木県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、福岡県)に再び緊急事態宣言が発令されました。
その他の県でも予断が許さない状況。
転職市場にも大きな影響が出ています。
作業療法士の方も、「転職を考えていたけれど・・・」、逆に「今まで転職は考えていなかったけれど考えるようになった」など、将来について考える人が増えているようです。
そこで新型コロナによる病院への影響、また将来の転職市場の見通しをまとめました。
経営状況
新型コロナによる病院の経営状況を把握するため、一般社団法人日本病院会、公益社団法人全日本病院協会、一般社団法人日本医療法人協会の3団体は、加盟する全病院に「新型コロナウイルス感染拡大による病院経営状況の調査」を行いました。
[調査期間]
2020年度第1四半期:2020年7月13日~8月3日
2020年度第2四半期:2020年10月12日~11月5日
[調査対象]
2020年度第1四半期:3団体に加盟する4496病院
2020年度第2四半期:3団体に加盟する4410病院
[有効回答数]
2020年度第1四半期:1459病院
2020年度第2四半期:1533病院
その調査結果を見ると、2020年4月~9月は前年度と比べ、外来患者数、入院患者数、手術件数、救急受け入れ件数すべてにおいて減少していました。
またコロナ患者受入状況における収支の赤字の割合は、
全体 | コロナ受け入れなし病院 | コロナ患者受入・受入準備病院 | |
4月 | 69.4% | 62.7% | 82.1% |
5月 | 62.8% | 53.6% | 80.0% |
6月 | 67.7% | 60.8% | 82.1% |
7月 | 53.8% | 51.5% | 59.5% |
8月 | 48.6% | 45.5% | 54.7% |
9月 | 52.0% | 47.0% | 63.0% |
外来患者、入院患者、手術件数などが減ることで、病院の収入が減り、病院経営は非常に厳しい状況です。
なかでもコロナ患者を受け入れた病院は4月~6月の厳しさが特に顕著で、赤字の割合は80%を超えています。
リハビリ現場の状況
新型コロナの影響による病院のリハビリ現場の状況を見てみたいと思います。
リハビリ患者の減少
新規入院患者、手術件数の減少は、リハビリ患者の減少に直結。
また外来の患者も受診を控える方が多く、特に2020年4月~6月はリハビリ業務が減ったセラピストが多かったです。
業務の縮小
入院中のリハでは、リハ室の利用時間・人数の制限、患者さんの外泊・外出、家屋評価の対応など十分な実施が難しい状況でした。
2020年4月の緊急事態宣言中は学校も一斉休校になっていたため、子供がいるセラピストは出勤できなかったり、早退したりするケースも多かったようです。
またリハビリ患者の減少により、病院によっては非常勤勤務者の出勤日数を減らすといった人数調整を行ったところもありました。
今後の求人の見通し
新型コロナの影響によるリハビリ患者の減少や病院の厳しい経営状況により、新規も中途も採用を控えているところがあるようです。
転職先がつぶれてしまったという話を聞きました。厳しい経営状況が継続している病院も多く、転職には慎重にならざる得ないですよね。
2021年を迎えても感染が治まるどころか再び緊急事態宣言が発令される事態。入院患者、手術件数の減少、外来患者の自粛が考えられ、夏から秋にかけて持ち直しつつあった経営状況も再び悪化することが予測されます。
転職市場に影響を与えることは間違いなく、まだしばらく転職希望者にとって厳しい状況が続きそうです。
ただ、リハビリを必要とする人が減ったわけではありません。
むしろリハビリの機会、体を動かす機会が減ることで身体機能の低下。リハビリを必要とする患者さんは増えることが予想されます。
また精神分野での需要も増えるのではないでしょうか。
将来的にみると、作業療法士を始めセラピストの需要が高まると思います。
今現在も求人がないというわけではありません。
転職を考えている方は、リハビリ職や医療従事者に特化した転職エージェントに相談してみてください。
現状や今後の見通し、求人状況など教えてもらえます。
コロナ禍にあり、思うような求人が今すぐは見つからないかもしれませんが、応募したい求人に出会った時すぐに動き出せるようにしっかり準備をしておきましょう。
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まとめ
新型コロナの影響で、外来・入院患者、手術件数が減り、病院の経営状況が悪化。
転職市場にも大きな影響が出ています。
新規採用、中途採用を控えている病院も多いです。
例年、1月~2月にかけては作業療法士の転職市場が最も活発化する時期ですが、2021年は都市部は緊急事態宣言下にあり、それ以外の道県でも厳しい感染状況下にあるところが多く、例年のような状況ではないでしょう。
しかしコロナが落ち着けば状況は変わります。
むしろ作業療法士、セラピストの必要性が高まることは間違いありません。
転職を考えている方は一人で悩まず、作業療法士や病院事情に詳しい特化型の転職エージェントにご相談ください。
そして希望に合う求人が見つかったらすぐに動き出せるようしっかりと準備をしておきましょう。