様々な働き方がありますが、作業療法士にとっては「派遣」はなじみの少ない働き方ですよね。
基本的に医療職は派遣が禁止されているからですが、条件によっては派遣で働くことができます。
そこで派遣の働き方とは?またどういった条件がそろえば作業療法士も派遣で働けるのか。
さらに派遣で働くメリット、デメリットについて紹介します。
派遣とは?
派遣で働くには、まず派遣会社に登録するところから始まります。
そして自分の条件にあうところを派遣会社から紹介してもらい、有期雇用契約を結んで派遣先で仕事をするという働き方です。
業務の指示は派遣先になりますが、雇用主は派遣会社であり、給与は派遣会社から支払われます。
パート・アルバイトとの違いは?
派遣も、パート・アルバイトも自分の希望する条件で働くことができる働き方で一見同じように見えますが、大きな違いがあります。
◆雇用主の違い
パート・アルバイトは、雇用主と就業先が同じ直接雇用です。
一方派遣の場合、雇用主は派遣会社。
就業先とは異なる間接雇用になります。
◆雇用期間
年末年始だけなど、あらかじめ期間が決められているケースもありますが、パート・アルバイトの場合、一般的には雇用期間は決められていません。
一方派遣の場合は、契約期間があります。
作業療法士の派遣事情
「作業療法士、派遣」と聞いて、「???」という方も多いのではないでしょうか?
作業療法士の働き方で「派遣」はほとんど聞かれないですよね。
というのも、作業療法士を始め医療職は「派遣」が禁じられているからです。
ちなみに、
- 港湾運動業務
- 建設業務
- 警備業務
なども派遣が禁じられています。
ただ作業療法士としては、介護業界は禁止されていませんし、医療関係でも条件を満たせば可能です。
[作業療法士が派遣で働くことが認められるケース]
- 紹介予定派遣の場合
- 介護業界
まだまだメジャーな働き方ではないので求人数は少なく、選択肢は狭いのが実情です。
派遣で働くメリット
派遣は作業療法士とってメジャーな働き方ではありませんが、全くないわけではないので、派遣で働くメリットを見てみたいと思います。
時給が高い。
派遣では、契約内容によっても異なりますが、時給で支払われます。
時給で支払われる働き方にはパートやアルバイトもありますが、それらと比べ時給は高い傾向にあります。
ライフスタイルに合わせて働くことができる。
勤務地や勤務日数、時間など、ライフスタイルに合わせて選ぶことができます。
家事や育児、家庭との両立も可能な働き方ですね。
また派遣の仕事内容は契約によって決められているので、その契約以外の仕事は基本的に発生しません。
サポート体制が整っている。
正社員はもちろん、パートやアルバイトなどの直接雇用の場合は、仕事上の悩みや不安、問題は上司に相談することになります。
しかし言いづらいこともあり、現実は我慢しないといけないことが多いですよね。
一方派遣の場合は、雇用主は派遣会社。
派遣会社の担当者に相談することができ、派遣先への対応が必要な場合は、派遣会社が間に入ってくれます。
働きやすい環境に向けてのサポートがあるのも派遣で働く大きなメリットです。
派遣で働くデメリット
続いて派遣で働くデメリットな面を見てみたいと思います。
契約更新が必要
前提としてはある程度長期雇用であっても、契約自体は3ヶ月ごとの更新で行うことが多いです。
その際自動更新ではなく、毎回契約期間終了の30日前までに派遣会社が派遣先と派遣労働者に契約更新の意思確認を行い、双方合意があれば契約更新となります。
1年勤める前提でありかつ3ヶ月ごとの契約の場合、3回更新手続きが必要になるということです。
結構大変ですし、仕事をしていく上で緊張感もあります。
派遣期間に上限がある。
2015年(平成27年)に行われた労働者派遣改正の雇用安定措置により、派遣労働者が同じ派遣先に勤められる上限が3年と定められました。
仕事や人間関係に慣れ、居心地が良い職場であっても3年以上同じ派遣先で派遣として働くことはできません。
※ただし、「無期雇用派遣」や60歳以上であれば、3年を超えても法令上働くことは可能です。
派遣先が見つからず、空白期間が空いてしまうことがある。
派遣には契約期間があるため必ず終わりがあります。
次の派遣先がスムーズに見つかれば問題ないのですが、タイミングよく次の仕事が見つからない場合は、無職状態に。
短期アルバイトでつないだり、別の派遣会社で探してもらったり、次の働き先が見つかるまで不安で落ち着かない日々が続く可能性があります。
交通費やボーナスがない。
原則有期雇用派遣の場合、交通費は支給されません。
勤務地がどこかで自己負担額が変わってくるので、交通費についてもよく考慮して勤務先を選ぶ必要があります。
またボーナスもありません。
派遣での働き方は、ライフスタイルに合わせて仕事先を選ぶことができること。また契約満了になればそこで勤務終了。トラブルにならずに辞めることができます。
ある程度の長期契約を予定している場合でも契約更新手続きをしないといけない煩わしさや、交通費やボーナスがないといったデメリットもありますが、退職を言い出すのは結構ストレスになるので、自分に合う条件の仕事先で期間限定で働きたい人にはメリットがある働き方です。
まとめ
作業療法士も条件が満たせば派遣社員として働くことが可能です。
特に今後ますます需要が高まる介護業界への派遣は現実的な働き方の一つになってくるのではないでしょうか。
といっても作業療法士の働き方としてはメジャーではなく、求人数も他職種と比べ少ないのですが、ライフスタイルに合わせ活用できる可能性がある場合はぜひチェックしてみてください。